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2021年“夏”

皆さまこんにちは。 山本英世です。
今日は10月1日、長い長い緊急事態宣言が明けました。ヽ(^o^)丿
お店のビールで乾杯したいですね。

2021年夏はコロナ禍2年目、そしてワクチン、新型コロナウイルス第5波と本当に忙しい日々でした。
特に8月は大変でした。
今回のことを忘れないため、はなまる便りに上げることにしました。

2021年8月、感染状況は、川崎市においては沖縄に次ぐ大変な事態となっていました。
8月の早い段階で、川崎市の病院だけでは入院患者を受けることができなくなっており、中等症Ⅱ(本来は入院が必要な方)であっても、在宅酸素を導入し、自宅でしのがなければならない状況でした。ニュース番組で流れていることが、当院においても現実となっていました。

そんな厳しい状況の中、私たちは第5波を乗り越えるため大きな役割を担いました。通常業務に加えて、第5波を乗り越えるため、ワクチン接種、発熱外来、保健所より依頼のあった感染患者さんの往診、感染患者さんの電話フォローを行っていました。
8月だけで約90件の感染患者さんの往診に向かい、その大多数が酸素導入を必要とする中等症Ⅱに属する方でした。
病床がなく、入院ができないため、酸素を導入して自宅で療養しなければなりません。
なんとか入院できる方は、在宅酸素使用下でも酸素飽和度が90%以下になってしまう、重症一歩手前の人です。

往診に向かうと泣いている方が大半です。苦しさや不安、焦り、いろいろな感情が入り乱れていました。
多くの人が、“死んじゃうんですか?”と問いかけてきました。
本来入院治療すべき人が自宅で戦わなければいけない姿を目の当たりにしました。
見捨てられているのでは?と不安になりながら、苦しんでいる人たちがそこにいました。
在宅医療で出来ることは限られていましたが、診療によりそして声をかけてあげることで、変えられたことや与えることのできた安心感は大きかったのだと思います。

夏の猛暑、第5波における+αの負担は、想定を超えるものでした。
オーバーワークによる体調不良からスタッフの離脱者を何人も出してしまいました。
それでも、通常診療に加え、コロナウイルス診療に立つ者、自宅療養者の電話フォローを行う者、準備や事務処理をする者、”はなまる”一人一人の働きがあり、川崎市の地域を支える一員であれたと思います。
私の知る限り、ここまで多岐にわたり対応できたのは、”はなまる”だけです。
”はなまる”を、そしてスタッフ一人一人を誇りに思っています。

私たちだけの力でここまで出来たわけではありません。
そこには、地域のため、夜も休日も休みなく奮闘している、保健所スタッフさんたちの姿がありました。
保健所の方々が窓口になり、自宅療養中に亡くなることや急変することが無いよう何度も連絡を取り、往診の必要な人を見つけ出し、私たちにつないでくれたこと、本当に感謝しています。
在宅医療には限界もあり、危機的状況に陥る前に、ベッドが足りない中でも入院の受け入れを何とか行ってくれた医療機関にも感謝です。

亡くなられた方もいらっしゃいます。
この場を借りてお悔み申し上げます。
助けられた命だったのにと強く思います。
力不足を申し訳なく思います。
第5波の苦しみを繰り返さないよう、第6波に備え、川崎市も新型コロナウイルス感染症対策本部を中心に、医師会や病院の連携を強化し、より組織的になっています。
私たちも少しでもできることが増やせるよう努力をしていきたいと考えています。
コロナ禍のゴールがあることを信じて、今後も“はなまる”の役割を発揮できるよう、前に進みますので、今後ともはなまるクリニックをよろしくお願いします。

2021年10月1日
山本英世

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